単に数字の書かれたプレートを差し替えるものですが、当然ながら、ただそれだけではありません。それぞれの数字のプレートの高さが自動的に決まるようになっています。それぞれのプレートは、1で始まるプレートの右にあるのか左にあるのかで高さが1段階違います。ですのでプレートの左右を引っ掛けるようにして、右から順にプレートを入れると自動的に高さが設定されるようになっています。

昔からよくある「万年カレンダー」は、横に約2倍(13列)に数字を並べておいて、その前のプレートをずらすタイプが多くなっています。このタイプは左右の幅が表示幅の倍あって邪魔だし、不要な部分を隠すのも難しいです。他には数字を1つ1つ並べるタイプのものもありますが面倒なので、少し考えてこういうデザインにしました。これもありそうで見当たらない設計かなと思います。

このカレンダーを作ろうと思ったきっかけは別のところにあります。以前に作った作品についてコメントを交わしたアメリカ在住の方が様々な色の素材を組み合わせた作品を作っておられ、マルチマテリアル(デュアルエクストルーダー)タイプの3Dプリンタを使っておられるのかと思ったらそうではなく、上記 "Pause at height" 機能で印刷途中でプリンタを止め、素材を取り替えているとのこと。これだと層ごとにしか色を変えられませんが、それでもかなり表現力があります。それなら僕もやってみよう、どうせなら、ということで今回のカレンダーでは差し込むプレートと表面パネルでそれを前提にした設計にしました。
複雑な、凝った設計の作品は面白いですが、いざ作ろうとなると結構ハードルが高いと思います。Thingiverse を見ていると、それよりはもっと単純な作品のほうが好まれるケースも多いようです。実際問題、これまでの作品は組み立てや調整がそう簡単ではないので、安易には作ってみましょうとは勧められません。ですので今回は敢えてシンプルでわかりやすい作品にしました。データは以下からダウンロードできます。
https://www.thingiverse.com/thing:4645739
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