2023年10月08日

シグマfp Lの購入とアクセサリ製作

ここ10年間、ニコンD800Eとソニーα7という2台のフルサイズデジタルカメラを使っています。この年(2013年)は一気に2台も買って大散財しましたが、今思えば正解だったと思います。D800Eは手持ちのニコンレンズのあれこれがほとんど使えるし、その後、24-120mmF4や200-500mmF5.6などの比較的新しいレンズも買い増して、ずっとメイン機として活用しています。一方α7はレンジファインダ用を中心としたオールドレンズを使用するのに使っており、いろいろと活躍しましたが、やはり日頃持ち歩くにはかさばることがネックになっていました。

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その後の10年間に魅力的なカメラが多数出現し、特にニコンからもZシリーズのフルサイズミラーレス一眼が出て充実してきましたが、興味はあるものの、なかなか買い替えには至りませんでした。というのは、たしかに高性能にはなっていますが、それ以上に値段がどんどん上がってきていること。画素数が2400万画素の廉価機も、10年前から安くなるどころかむしろ高くなっている状況で、手が出せずにいました。しかし、どうやらカメラの値段が下がる時代は終わったようです。待っていても思ったような廉価機が出そうにないと思い直し、上の写真のようにシグマの fp L を購入しました。

fp L にしたのはもちろん小型軽量なことが第一で、オールドレンズ用のα7の更新を狙ったものです。小型のフルサイズミラーレスには他にα7Cがありますが、これは画素数がα7と同じで今ひとつ食指が動きません。それに対しfp Lはトップクラスの6100万画素で、値段もこの画素数の機種としては破格に安いことも決め手になりました。

シグマのカメラはソニーやニコン、キヤノン等に比べ少しマニアックという評ですが、使ってみた印象では、普通にちゃんと使えるよくできたカメラだと思いました。もちろん手ぶれ補正機能は内蔵されていませんが、搭載されている機種でもオールドレンズでは焦点距離を1つずつセットする必要があり、フルサイズの感度やオールドレンズの明るさを考えると個人的には必要とは思えません。またフラッシュ同調撮影や動きモノもD800Eで行うため、メカシャッターがないことも許容範囲、むしろ無音で撮れるメリットさえあります。

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ただ、ピント合わせには難点がありました。Nikon 1 J5などEVFのないカメラも使っていたので問題ないかと思っていたのですが、やはりオールドレンズで精密にピント合わせするには液晶画面は厳しい。最近、近くのものが見にくくなってきたこともあります。しかし外付けEVFをつけるのも癪だし、純正LCD用ルーペのLVF-11はとてもかさばる上、脱着が面倒そうで今一つです。幸い、手持ちの67判カメラ、ブロニカGS-1のウェストレベルファインダをあてがってみると、液晶画面全体がピッタリと視野に収まったので、3Dプリンタで取り付ける部品を作ってみることにしました。





上は、使用の様子の動画です。シグマ fp / fp L には液晶の周囲に放熱のスリットがあるため、ここを使ってスライド式に脱着できるようにしました。落ちないように最後にクリックでカチッと止まるようになっています。ルーペを出さなければ液晶画面のフードとして使え、ルーペを出せばファインダになります。畳んでポケットに入れておいて、出先で液晶が見にくかったり、ちゃんとピント合わせしたいときはさっと取り付けて使えそうです。また、ファインダ倍率が非常に高いのも美点の1つ。計測してみると、50mmレンズ装着時で1.7倍あまりもあります。そのため視野の画角が28mm相当ぐらいあり、周囲まで見渡すにはキョロキョロと目を動かす必要がありますが、8xの拡大機能とあわせ、ピント合わせは非常に楽になりました。

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ついでに、カメラがすっぽり収まるハードケースも自作。通勤や出張のカバンに入れて持ち歩くには、こういうハードケースが一番の保護になります。レンズの大きさやストラップ取り付け位置に合わせて数種類を作り替えて出力しました。

シグマfp Lはオールドレンズを付けたときに周囲の色づきを補正するカラーシェーディング補正という機能もあり、超広角でも問題なく使えるのも良い点でした。ただ、このレンズマウント(Lマウント)は、他社レンズをAFで動かすような電子マウントがあまり発売されていないのが難点です(純正にEFレンズ用はありますが、Fマウント用はない)。パナソニックを始めとして機種が増えてきたので、発売を願うばかりです。また、最近は(高いですが)α7CRや、画素数が少し減りますがα7CIIが登場し、EVF問題やマウントアダプタの豊富さの点ではそちらのほうが良いだろうとも思います。本当をいえば、ニコンからα7Cのような形の小さい機種が出れば、全てをそれに集約できていいのですが・・
posted by しんさく at 00:40| Comment(0) | TrackBack(0) | カメラ

2023年04月29日

パワーウィンドウスイッチの小修理

ボクスターは15年18万キロとなっていますが、車検も難なく通り、快調に走っています。ただ樹脂類の劣化は徐々に進んでおり、前はドアノブのヒンジが折れましたが、コンドはパワーウィンドウスイッチが陥没したので修理しました。

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運転席側ドア内張りの裏側です。スピーカーのうちウーファーはドア側についており、ドア内張りには中域を担当するスコーカーのみがついています。その右上がパワーウィンドウスイッチのユニットですが、これが操作すると陥没するようになってしまいましたので修理します。

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パワーウィンドウスイッチ取り付け部分の拡大写真です。赤線で記入した部分が折れてしまい、パワーウィンドウスイッチの下側のフックがかからなくなり陥没するようになりました。いかにも肉厚が薄く、さすがにこれでは折れても仕方がない・・と思いますが、まあポルシェはちょくちょくこういう部分があります。

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陥没した時の状態です。上側はフックが引っかかっているのですが、下側が回転するように陥没してしまいますので、ここだけ止めればOKです。

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ガラクタ箱の中からちょうど良さそうな金属片を見つけました。それを少し加工してからはめ込みます。ドア内張りの素材の切替部分に重ね代があり、そこにひっかけるとちょうどいい感じで固定できました。結束バンドで抑えるようにしたので、外すときは結束バンドを切ればOKです。ドア内張りは薄いので、裏側からビスなどで止めると表に突き出るおそれがありますが、そういう危険もなくうまく付きました。元通りドア内張りを取り付け直して完了です。
posted by しんさく at 17:34| Comment(0) | TrackBack(0) |

2021年06月24日

ウェブブラウザで動く講演タイマー

ウェブブラウザ上で動作する学会タイマー(口頭発表の時間を測ってベルを鳴らすアプリ)を作りました。・・・それ、もう既にあるよね?と言うなかれ。近年のブラウザの新機能を盛り込んで、フルスクリーン表示やスリープ禁止機能などを付けました。

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その学会タイマーは、こちらhttps://shiura.com/timer/から使用できます(日本語版はこちらhttps://shiura.com/timer/jp)。ネット環境のないところで使用するには https://shiura.com/timer/timer.zipからファイル一式をダウンロードしてください。説明書(日英)はこちら

学会タイマーにはスマホアプリも多くありますが、手軽に使えて評判の高いのは丸田氏の Time Keeperかと思います。機能や画面がシンプルで、使いやすく見やすいのも人気の秘訣かと思います。しかし登場から既に10年、前回アップデートからも5年ほど経っており、その間にブラウザの方も進化しているようなので、この機会に、以下のような自分の欲しい機能を付け加えたバージョンを作りました。

  • フルスクリーンモード 画面のボタンを押すと、ウィンドウ枠などがまったくない全画面表示ができます。
  • スリープ禁止(wakeLock) パソコンやスマホ・タブレットの設定に関わらず、画面が暗くなったり消えたりしません。
  • 説明文の切り替え ベルが鳴る間の4つの時間帯、それぞれに異なる文を設定でき、「講演中」「質疑応答」「時間切れ」などの状態表示ができます。
  • バーグラフ表示 時間の経過がひと目でわかります。バーの色を変えて状態が直感的にわかるようにもしました。
  • 直感的な時間設定 「この欄に入れるのは、開始時点からの時間なのか、それとも前回のベルからの時間なのか?」など、迷ったことはありませんか。時間を入力するとバーが伸縮して時間の比率が見えるようにしました。

丸田氏のプログラムでいいなと思った部分、例えば現在の設定を URL に変換してブックマーク保存できるところなどは参考にさせてもらいました(ただしプログラムはすべて1から作っています)。

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ただ、いくらか制限があります。フルスクリーンモード (Fullscreen API) とスリープ禁止 (Screen Wake Lock API) は機種やブラウザによって対応状況が違い、一部の環境では動作しません。特に iPhone (iOS) や iPad (iPad OS) では Apple のポリシーによるものか、Google Chrome にフルスクリーンモードが許可されておらず、またバッテリーに影響があると思われる Wake Lock API は safari にも実装されていないようです。ですが、OS の「設定」で「自動ロック」を「なし」に設定した上で、 safari で全画面表示で使えば問題ありません。(2023.3.28 Safari 16.4 から Wake Lock API が実装され、スリープ抑止が働くようになりました。上の表も更新しました。)

手持ちの環境で出来るだけ動作確認しましたが、不具合や要望があればぜひお寄せください。
posted by しんさく at 23:34| Comment(9) | TrackBack(0) | 電子モノ