また突然ですが、機械式のデジタル時計を作りました。機械式と言っても動力や計時はゼンマイやテンプのような機械式ではないのですが、各桁の表示は電子式ではありません。自分の好みとして、デジタルは便利なものの光っている時計はあまり好きではなく、液晶も視認性が今ひとつ。また24時間表示がいいということもありますが、それよりもまあ、せっかく時計を置くのなら世界に1個しかない変なのがいいな、というのが大きいです。
早速ですが中身はこんな構造になっています。4桁ありますが、中央の円筒(選択カム)でレバーを上下させることで、どれか1つの桁を選んで回転させるようになっています。またすべての桁は0〜9の10文字ありますので,23:59 から日付が変わって 00:00 になるときなどは21回も文字盤を進める動作があり、別途、桁を選ぶ動作も途中に入るので数十秒を要します。また音も大きいですが、区切りの時間がわかりやすく、時報代わりといったところかもしれません。サーボモーターは1つだけで、基準位置から右回転で桁選択の変更、左回転で選択した桁を1進める動作ができる構造になっています。制御は micro:bit で行っており、どんな場合でも最小の手順で桁を動かすようになっているほか、bluetooth でPCから時刻設定ができる機能もつけました。
構造の説明や動作の様子は例によって YouTube の動画で見てみてください。今回のものは部品点数もかなり多く、パーツは27種類、75個にもなります(はめ込む白い文字パーツだけで40個ありますが)。また動作も結構シビアで、3Dプリンタの細かな精度の問題で部品が引っかかって桁が進まなかったりしました。そういう部分の追加工や微調整はけっこうありますが、例によってほとんどのパーツは3Dプリンタでできており、他に必要なのは制御用の電子回路部分の他には250円ほどで買えるサーボ1個と針金ぐらいです。
文字盤を少し上向きにしたり、ほぼツライチで表示されるようにしたこともあり、視認性も良好。大きさも、高さは文字の大きさで決まってしまい小さくするのは不可能ですし、幅も小さく、文字間隔もかなり詰められていると思います。かなり音が大きいのは確かですが、時間がないときの来客時にはいいかもしれません笑
形状データやプログラムは,Thingiverseやこちらでダウンロード可能です。
2020年10月05日
2020年08月30日
単3充電池の自動充電器を自作しました
突然ですが、エネループなどの単3型充電池の充電器を作りました。しかし、ただの充電器ではありません。電池を流し込んでおけば順に自動セットして充電してくれるというものです。こういうものにはすでにいくつか市販品があり、最近は廉価なモデルも出たのですが、それでも9,000円ほどと結構なお値段。なくても済むということもあって手を出さずにいましたが、ふと、作れるんじゃない?と思って作ってみました。ネットで検索すると海外も含めて自作例が見当たらなかったことも後押しになりました。
電池を取り込んでセットし、充電後に排出する部分は3Dプリンタで作ります。中央の円筒に電池がはまるようになっていて、その円筒をサーボモーターで回転させることでこれらの動作を行います。充電器は手持ちの中から、もう使っていない古いものを使い、その充電ランプを micro:bit というマイコンで読み取り、サーボモーターを制御します。
作り始めたのは平日の火曜日の晩。晩ごはんの後に開始し、円筒と枠の部分を設計・造形して試してみたら、案の定といいますか、電池が詰まりやすくて使い物になりません。早速ものづくりの洗礼を受けたな、と思いながら、翌日、円筒にコブをつけて余計な電池をかき分けるよう設計修正し、毎回確実に電池がセットできるようになりました。木曜日(仕事が休みでした)の午前には電池の接点を作り、充電ができるように。その後、外装(筐体)を設計・造形しつつ足りない部品を注文し、それが届いた金曜日の晩にはほぼ完成。土曜日に細部を整え、動画を作って完了という、1週間にも満たないプロジェクトでした。
せっかくなので、これまでは手抜きの極みだった(というよりも、このブログに差し込むためだけだった)動画について、BGMやテロップも入れてきちんと作ってみました。ぜひ音声ONで御覧ください。
いろいろと書かずとも、この動画を見ていただければすべてわかると思います。今回、感心したのは micro:bit の便利さ。特に開発環境のブロック式のプログラミングは、「こんな面倒くさそうなもの使うか」と思っていたのですが、それがそうでもなく、ミスが未然に防がれる作りになっていて感心しました。最初からサーボモーターを制御するブロックもあり、とても標準的な作りと言うか、変わったテクニックはまったく必要なく、各電池の充電時間を記録・表示する機能なども簡単に組み込めました。
設計データやプログラムは全てダウンロード可能です(YouTube 動画の説明欄にリンクがあります)。材料は、廃品の充電器を利用するなら、最低限購入する必要があるのは micro:bit(約2000円)と小型サーボ(約250円)に、3Dプリンタのフィラメント(約400g, 約1000円)ぐらい。筐体部分は精度を必要としないので、木工などで作るのも楽しいと思います。ぜひ作ってみてください。
電池を取り込んでセットし、充電後に排出する部分は3Dプリンタで作ります。中央の円筒に電池がはまるようになっていて、その円筒をサーボモーターで回転させることでこれらの動作を行います。充電器は手持ちの中から、もう使っていない古いものを使い、その充電ランプを micro:bit というマイコンで読み取り、サーボモーターを制御します。
作り始めたのは平日の火曜日の晩。晩ごはんの後に開始し、円筒と枠の部分を設計・造形して試してみたら、案の定といいますか、電池が詰まりやすくて使い物になりません。早速ものづくりの洗礼を受けたな、と思いながら、翌日、円筒にコブをつけて余計な電池をかき分けるよう設計修正し、毎回確実に電池がセットできるようになりました。木曜日(仕事が休みでした)の午前には電池の接点を作り、充電ができるように。その後、外装(筐体)を設計・造形しつつ足りない部品を注文し、それが届いた金曜日の晩にはほぼ完成。土曜日に細部を整え、動画を作って完了という、1週間にも満たないプロジェクトでした。
せっかくなので、これまでは手抜きの極みだった(というよりも、このブログに差し込むためだけだった)動画について、BGMやテロップも入れてきちんと作ってみました。ぜひ音声ONで御覧ください。
いろいろと書かずとも、この動画を見ていただければすべてわかると思います。今回、感心したのは micro:bit の便利さ。特に開発環境のブロック式のプログラミングは、「こんな面倒くさそうなもの使うか」と思っていたのですが、それがそうでもなく、ミスが未然に防がれる作りになっていて感心しました。最初からサーボモーターを制御するブロックもあり、とても標準的な作りと言うか、変わったテクニックはまったく必要なく、各電池の充電時間を記録・表示する機能なども簡単に組み込めました。
設計データやプログラムは全てダウンロード可能です(YouTube 動画の説明欄にリンクがあります)。材料は、廃品の充電器を利用するなら、最低限購入する必要があるのは micro:bit(約2000円)と小型サーボ(約250円)に、3Dプリンタのフィラメント(約400g, 約1000円)ぐらい。筐体部分は精度を必要としないので、木工などで作るのも楽しいと思います。ぜひ作ってみてください。
タグ:3Dプリンタ
2020年07月25日
扇風機を作る
ちょっとホバークラフト作りはお休みして扇風機を作りました。これ、前にこちらで紹介した電動版ホバークラフトの制作に使ったもので、もとはといえばダイソン風の羽なし扇風機に入っていたPC用の冷却ファンです。ホバークラフトをいろいろ試作する過程で取り外してしまっており、暑くなってきたこともあるので元通りの扇風機に組み立て直したのですが、どうもやはりこのダイソン風の通風路を通るときの圧力損失が大きいようで、裸で使ったほうがずっと風力があります。そこで、顔を向くように斜めに置きつつ、指が羽根に触れにくい筐体を作ってみました。
いつもどおりチャチャッとBlenderでモデリングしました。モデリングでは一応、サポート材が不要なように意識しながら造形します。しかし一抹の不安が。各スライスの造形中にプリントヘッドが空中を移動する機会が多いため、かなり糸引きが起こりそうです。まあでも、ものは試しだな、と、素材を PETG から PLA に戻して造形したのですが、設定も良くなかったようで(密着度優先)、糸引きが盛大に起こってしまいました。
かといって作り直すほどのこともないので、リューターやヤスリで整えて組み立てました。スッキリした見た目で形的には気に入りましたが、欠点としては、音が大きい・・・これはしかたないですね。また、ファンむき出しに比べると、これだけでもグリルがつくと風量が落ちるようです。
つい手抜きして一体で造形できるようにデザインしてしまいますが、こういう場合はせめて組み立て式にして、表面と裏面のグリルをそれぞれ水平で造形するのがいいのだろうと思います。
いつもどおりチャチャッとBlenderでモデリングしました。モデリングでは一応、サポート材が不要なように意識しながら造形します。しかし一抹の不安が。各スライスの造形中にプリントヘッドが空中を移動する機会が多いため、かなり糸引きが起こりそうです。まあでも、ものは試しだな、と、素材を PETG から PLA に戻して造形したのですが、設定も良くなかったようで(密着度優先)、糸引きが盛大に起こってしまいました。
かといって作り直すほどのこともないので、リューターやヤスリで整えて組み立てました。スッキリした見た目で形的には気に入りましたが、欠点としては、音が大きい・・・これはしかたないですね。また、ファンむき出しに比べると、これだけでもグリルがつくと風量が落ちるようです。
つい手抜きして一体で造形できるようにデザインしてしまいますが、こういう場合はせめて組み立て式にして、表面と裏面のグリルをそれぞれ水平で造形するのがいいのだろうと思います。
タグ:3Dプリンタ