スピーカーを2組作りました。
1つは「クラインの壺」型のスピーカーです。クラインの壺、というと、表の面と裏の面が繋がっている図形で、3次元空間では交差なしに表現できないのですが、その交差部分の曲線が面白いので作ってみました。ホーンの開口部があるので実際には「底の抜けたクラインの壺」ですが・・・
スピーカーユニットとしては、自作スピーカー分野で定番とも言える?ダイソーの300円スピーカーを用いました。スピーカーユニットそのものは結構いいのですが、箱が良くない(小さすぎることも大きい)ので自作の効果が大いに味わえるということもありそうです。赤い部分は3Dプリンタで一体成型でき、スピーカーとベゼルをねじで止めれば完成というお手軽工作。しかし思いのほかすっきり感のある音になり上出来でした。3Dデータはこちらで公開しています。
これに気を良くして、次はもうちょっとちゃんとしたユニットで作ってみよう、と思っていたところ、ちょうど知人が小さいフルレンジユニット(FOSTEX FE103En)を処分しようとされていたので譲ってもらいました。それで早速作ったのが、上の「ガラス球」タイプのスピーカーです。全体を3Dプリンタで作るのもいいのですが、大きくなると材料代も出力時間もかかるし,またちょっと違ったものを、ということで、これまたダイソーで200円のガラス鉢(ガラス水盤)を調達。スピーカーとガラス鉢を接続する部分だけ作って組み合わせました。
ガラス製のスピーカーというと、市販品のほか、世間にはガラス球を加工して制作した例や、ウイスキーのボトルを利用した例もあるのですが、ガラスの加工には専用の工具が必要で時間もかかります。ですので僕の場合は,ガラス部分を加工しないというテーマで作成し、バッフルを内側からネジで止めて、ゴムバンドで気密を確保する構造にしました。平面部分がないためほとんど共振音はしないのですが、もともとかなり高音がきついユニットなので、吸音のために少しふわふわしたものを中に入れています。写真よりももっと入れてもいいと思います。
これがまた(というよりはこれまで以上に)あたりで、非常にスッキリした鳴りっぷり。小型なので低音は弱めですが、反響や雑音が非常に少なく、どこから音がしているかわからないぐらいの優れた定位感で、瑞々しい音がします。大成功でした。個人的にはFOSTEXが販売している専用のエンクロージャー、P1000-BHよりもいい音になったと感じています(この箱は低音は出やすいのですが、反響音による濁りがあり、また、音が出にくい周波数帯もあります)。実は試作段階では細いバスレフポートをつけたものも作ったのですが、効果がないようだったので密閉型にしました。
こちらの3Dデータもここで公開しています。ガラス加工が不要なので、ネジの締め過ぎでガラス鉢を割らないように気をつければ簡単に自作できると思います。ただ、ガラス鉢の個体差が大きい(口の部分の直径が結構違う)ので、ゴムバンドの本数で調整してください。
2020年12月29日
2020年11月08日
カレンダー 第二弾
そしてまたカレンダーを作りました。
単に数字の書かれたプレートを差し替えるものですが、当然ながら、ただそれだけではありません。それぞれの数字のプレートの高さが自動的に決まるようになっています。それぞれのプレートは、1で始まるプレートの右にあるのか左にあるのかで高さが1段階違います。ですのでプレートの左右を引っ掛けるようにして、右から順にプレートを入れると自動的に高さが設定されるようになっています。
昔からよくある「万年カレンダー」は、横に約2倍(13列)に数字を並べておいて、その前のプレートをずらすタイプが多くなっています。このタイプは左右の幅が表示幅の倍あって邪魔だし、不要な部分を隠すのも難しいです。他には数字を1つ1つ並べるタイプのものもありますが面倒なので、少し考えてこういうデザインにしました。これもありそうで見当たらない設計かなと思います。
このカレンダーを作ろうと思ったきっかけは別のところにあります。以前に作った作品についてコメントを交わしたアメリカ在住の方が様々な色の素材を組み合わせた作品を作っておられ、マルチマテリアル(デュアルエクストルーダー)タイプの3Dプリンタを使っておられるのかと思ったらそうではなく、上記 "Pause at height" 機能で印刷途中でプリンタを止め、素材を取り替えているとのこと。これだと層ごとにしか色を変えられませんが、それでもかなり表現力があります。それなら僕もやってみよう、どうせなら、ということで今回のカレンダーでは差し込むプレートと表面パネルでそれを前提にした設計にしました。
複雑な、凝った設計の作品は面白いですが、いざ作ろうとなると結構ハードルが高いと思います。Thingiverse を見ていると、それよりはもっと単純な作品のほうが好まれるケースも多いようです。実際問題、これまでの作品は組み立てや調整がそう簡単ではないので、安易には作ってみましょうとは勧められません。ですので今回は敢えてシンプルでわかりやすい作品にしました。データは以下からダウンロードできます。
https://www.thingiverse.com/thing:4645739
単に数字の書かれたプレートを差し替えるものですが、当然ながら、ただそれだけではありません。それぞれの数字のプレートの高さが自動的に決まるようになっています。それぞれのプレートは、1で始まるプレートの右にあるのか左にあるのかで高さが1段階違います。ですのでプレートの左右を引っ掛けるようにして、右から順にプレートを入れると自動的に高さが設定されるようになっています。
昔からよくある「万年カレンダー」は、横に約2倍(13列)に数字を並べておいて、その前のプレートをずらすタイプが多くなっています。このタイプは左右の幅が表示幅の倍あって邪魔だし、不要な部分を隠すのも難しいです。他には数字を1つ1つ並べるタイプのものもありますが面倒なので、少し考えてこういうデザインにしました。これもありそうで見当たらない設計かなと思います。
このカレンダーを作ろうと思ったきっかけは別のところにあります。以前に作った作品についてコメントを交わしたアメリカ在住の方が様々な色の素材を組み合わせた作品を作っておられ、マルチマテリアル(デュアルエクストルーダー)タイプの3Dプリンタを使っておられるのかと思ったらそうではなく、上記 "Pause at height" 機能で印刷途中でプリンタを止め、素材を取り替えているとのこと。これだと層ごとにしか色を変えられませんが、それでもかなり表現力があります。それなら僕もやってみよう、どうせなら、ということで今回のカレンダーでは差し込むプレートと表面パネルでそれを前提にした設計にしました。
複雑な、凝った設計の作品は面白いですが、いざ作ろうとなると結構ハードルが高いと思います。Thingiverse を見ていると、それよりはもっと単純な作品のほうが好まれるケースも多いようです。実際問題、これまでの作品は組み立てや調整がそう簡単ではないので、安易には作ってみましょうとは勧められません。ですので今回は敢えてシンプルでわかりやすい作品にしました。データは以下からダウンロードできます。
https://www.thingiverse.com/thing:4645739
タグ:3Dプリンタ