大事にしていても10年も乗ると車の外観もだんだんとくたびれてきます。塗装面が綺麗でも、その他のちょっとしたパーツ類が古びて見えると車全体がボロく見えてしまうのでなんとかしたいところ。ヘッドライトの曇り・黄ばみもよくある劣化ですが、ボクスターの場合は「カウルトップパネル」と呼ばれるワイパーの土台部分の樹脂部品が白っぽくなってきやすいです。
このような無塗装樹脂部分はシリコーンオイルを塗るとしっとりいい感じになりますが、1週間も経つと洗い流されてしまって元の木阿弥。と思っていたら、良い商品があることを知りました。このワコーズのコーティング剤、ちょっとお高いのですが半年ぐらいは効果が持続する上、施工も簡単ということで購入してみました。
早速ですが施工前後の比較です。上と下の写真では時間の違いで影が少し動いていますが日向の部分の明るさはほぼ同じだと思います。一目瞭然で、白っぽいところがしっとりと黒くなっています。テカテカせずに落ち着いた風合いになるのもよいところです。付属のスポンジも使いやすく、そこにほんの1,2滴垂らすとかなり広い範囲に伸ばせるので、この1本でそうとう長期間使えそう。
ワイパーの付け根は付属のスポンジでは塗りにくかったのですが、ちょうどその塗り漏らしの部分で効果がわかりやすいので写真に撮ってみました。この部分は綿棒で塗っておきました。
ボクスターで白化が気になるのはこの部分だけですが、車種によっては無塗装樹脂がもっと広範囲に使われているものもあるし、それが白っぽくなりやすい車種もあります。このケミカル、中古車ディーラーなんかも結構使ってるらしいです。
2019年08月11日
2019年06月01日
自前整備でコストカット(3)ブレーキとサスペンションの交換
前回車検で指摘されたフロントブレーキパッド・ローターの摩耗と、リアダンパーの抜け。ディーラー整備だとパーツ代だけでかなりの値段になるので、この機会に社外品を使うことにしました。
まずブレーキですが、ヨーロッパ車のブレーキはとてもブレーキダストが多く、きれいにしてもあっという間にホイールが真っ黒になってしまいます。それに辟易していたので、今回、超低ダストと謳われている breni DFP超低ダストブレーキパッドを使うことにしました。今回指摘されたフロントだけでなくリアもローターにはかなりの段差が出来ていましたので(パッドは残っていましたが)、一気に前後ともローター・パッドを全交換することに。部品代はローター・パッドと摩耗センサを4輪分で 95,000円ほど。純正部品だとフロントを交換するのにも足りない額です。
次にサスペンションですが、ネットで色々調べ、かなり安価である割に評判がいい XYZ の車高調キット Type-SS を入れることにしました。987 はケイマン用となっていますがボクスターにも問題なく装着できます。上の写真ではそのままサスがダンボール箱に入っているように見えますが、実際には緩衝材が入って届きます。この手のサスキットではブレーキホースなどを汎用のプレートで固定したりすることが多いのですが、この 987 用のキット SS-PO06 では、ボトムケースにブレーキホースを固定する板がついていますので、純正同様に固定ができます。価格も4輪分、バネやアッパーマウント込みで約15万円、純正部品では2輪分にもなりません。
装着について。これまでいくつかの車両でサス交換をやった経験があり、特に今回はバネ・ダンパーセットなのでスプリングコンプレッサーを使う必要もなく簡単なはずですが、ネットで調べると結構大掛かりなようですし、ボクスターはリフトアップも少し面倒(フロントまたはリアを左右一気にリフトアップするためのジャッキアップポイントがない)ということがあります。そこでまずはプロに依頼しようということで、自宅の近くでポルシェの整備を得意にしているお店に持ち込みました。お店にはナローや 930 型だけでなく 968 などの、ポルシェ専門店でも扱いたがらない車両も入庫しており、安心感のあるお店です。
セッティングとしては、ゼロタッチ、すなわち伸び切った状態でバネの遊びがちょうどなくなるように設定した上で、(全長調整式なので)ボトムケース側で車高を合わせてもらいました。ダウン量は純正状態から -20mm 。なぜかというと、あまり下げすぎて品がなくなるのも好きでなく、ぱっと見で純正に見えつつちょっといい感じ、ぐらいが好きなこと。それと、インナーガレージの出入り口に斜面があり、そこで腹を擦らないようにということもありました。写真はそのセッティングが完了した状態ですが、バネの下端とボトムケースの間にはまだまだ隙間があるので、落とそうと思ったらまだまだ落ちます。
車両引取後、早速、自宅の車庫に入れてみます。結果として写真のように 1cm ぐらいのクリアランスで問題なしでした。(自分の這いつくばっている格好が移っていたのでモザイクを掛けました、笑)
サス交換をする前に撮っていた写真と比べるために、同じ場所へいき、できるだけ同じアングルで写真を撮ってみました。上が交換前、下が交換後です。外観的には、見比べないとわからない程度・・というか、下がっている方だけを見ると普通に見えますが、(標準ではちょっとタイヤとフェンダーの隙間が大きいこともあって)一旦下がった状態(下)を見てから純正状態(上)を見ると違和感を感じるぐらいになっています。
走らせた感じでは、やはり標準のサスよりもバネレートがはっきりと上がっていることが感じられます。カーブでもほとんどロールを感じず、いかにもスポーツカーという動きになりました。ただし路面のうねりに素直に追従してゆすられる感じはかなり出てきます。乗り心地は、私としては納得できる範囲ですし、もちろん、前の抜けきったサスに比べれば非常に良いです。車に興味のない助手席の人はちょっと乗り心地悪いなあと感じるでしょうが・・・ダンパーよりもバネレートそのものの違いが効いていると思います。
ダンパーのセッティングですが、ちょうど中間(30クリックのうち15クリック)ではすこし減衰力が足りないように感じられたので、フロントを5段階、リアを7段階ほど強めたら、滑らかな路面では姿勢変化がかなり抑制され、いい感じになりました。しかし、今度は非常にスパルタンな乗り心地に。長距離の通勤での荒れた路面では腰に来そうです。そこで今度はかなり緩めてみたら、姿勢変化は大きくなりますが快適性は大きく向上しました。やはりシチュエーションで変えるのが良さそうで、通勤は最弱に近いセッティング、先日体験したオートテストやジムカーナでは強めのセッティングが良さそう。
ブレーキの制動力やフィーリングにも違和感はありません。むしろ踏み始めの初期制動の立ち上がりが素早くて、個人的にはより好印象になりました。
ピロボール式なので音がどうなのか、は気になるところだと思います。市販車の標準のサスはタイヤやサスペンションからの音を遮断することを最優先に設計されており、サスのアッパーマウントなど各部にゴムが使われています。それがありませんので、1つには路面を転がるタイヤの音が大きくなります。体感では、音質も含め、少し風切り音が強くなったかな、という感じになります。それと、路面の凹凸でサスペンションが大きく動いたときに少しギシギシと音がすることがあります。ピロボール式の宿命ですのでここは納得しておく必要があると思います。いまのところゴトゴト音はしません。バネの上端・下端のスプリングシート部分にチェーンルブを吹いてみたらギシギシ音もしなくなったので、しばらくこれで様子を見てみます。
最後に総合的なコストの比較です。ブレーキと足回りに工賃込みで40万円近くかかり、総合的には60万円を要しました。ディーラーの車検見積もりから10万円しか安くなっていませんし、省いた項目もありますが、一番の違いはダンパー・ブレーキともに4輪とも処置したことです。整備店からは、やはりリアダンパーだけでなくフロントダンパーも抜けていたという話も聞き(体感でもそういう感じでしたが)、全体としてはうまくコスト圧縮できたと思います。
あとは低ダストのパッドの効果がどれぐらいあるか。今回頑張ってかなりホイールを綺麗にしたので、またしばらくしたらレポートできると思います。
2019.6.23 追記:サスとブレーキ交換後、約20日、1500kmほど走りました。サスは初期の渋さが取れてきてよく動いている感じで快適性が上がっています。特に気になる異音も出ていません。
ブレーキの交換によるホイールの汚れですが、効果大です。1500kmも走れば、前はかなり真っ黒になっていたと思うのですが、交換後はあまり汚れていません。ただし(頑張ってホイールをきれいにしたつもりでしたが)ホイールの裏側の汚れが雨などで濡れたときに流れてきたと思しき汚れがあります。あたりがついてきてからはまた汚れ方も違うので、また今日、今度は裏側まで頑張って洗っておきました。また1〜2ヶ月後にレポートしますが、いまのところの感触では「効果大」です。ブレーキのフィーリングも結構良いです。
まずブレーキですが、ヨーロッパ車のブレーキはとてもブレーキダストが多く、きれいにしてもあっという間にホイールが真っ黒になってしまいます。それに辟易していたので、今回、超低ダストと謳われている breni DFP超低ダストブレーキパッドを使うことにしました。今回指摘されたフロントだけでなくリアもローターにはかなりの段差が出来ていましたので(パッドは残っていましたが)、一気に前後ともローター・パッドを全交換することに。部品代はローター・パッドと摩耗センサを4輪分で 95,000円ほど。純正部品だとフロントを交換するのにも足りない額です。
次にサスペンションですが、ネットで色々調べ、かなり安価である割に評判がいい XYZ の車高調キット Type-SS を入れることにしました。987 はケイマン用となっていますがボクスターにも問題なく装着できます。上の写真ではそのままサスがダンボール箱に入っているように見えますが、実際には緩衝材が入って届きます。この手のサスキットではブレーキホースなどを汎用のプレートで固定したりすることが多いのですが、この 987 用のキット SS-PO06 では、ボトムケースにブレーキホースを固定する板がついていますので、純正同様に固定ができます。価格も4輪分、バネやアッパーマウント込みで約15万円、純正部品では2輪分にもなりません。
装着について。これまでいくつかの車両でサス交換をやった経験があり、特に今回はバネ・ダンパーセットなのでスプリングコンプレッサーを使う必要もなく簡単なはずですが、ネットで調べると結構大掛かりなようですし、ボクスターはリフトアップも少し面倒(フロントまたはリアを左右一気にリフトアップするためのジャッキアップポイントがない)ということがあります。そこでまずはプロに依頼しようということで、自宅の近くでポルシェの整備を得意にしているお店に持ち込みました。お店にはナローや 930 型だけでなく 968 などの、ポルシェ専門店でも扱いたがらない車両も入庫しており、安心感のあるお店です。
セッティングとしては、ゼロタッチ、すなわち伸び切った状態でバネの遊びがちょうどなくなるように設定した上で、(全長調整式なので)ボトムケース側で車高を合わせてもらいました。ダウン量は純正状態から -20mm 。なぜかというと、あまり下げすぎて品がなくなるのも好きでなく、ぱっと見で純正に見えつつちょっといい感じ、ぐらいが好きなこと。それと、インナーガレージの出入り口に斜面があり、そこで腹を擦らないようにということもありました。写真はそのセッティングが完了した状態ですが、バネの下端とボトムケースの間にはまだまだ隙間があるので、落とそうと思ったらまだまだ落ちます。
車両引取後、早速、自宅の車庫に入れてみます。結果として写真のように 1cm ぐらいのクリアランスで問題なしでした。(自分の這いつくばっている格好が移っていたのでモザイクを掛けました、笑)
サス交換をする前に撮っていた写真と比べるために、同じ場所へいき、できるだけ同じアングルで写真を撮ってみました。上が交換前、下が交換後です。外観的には、見比べないとわからない程度・・というか、下がっている方だけを見ると普通に見えますが、(標準ではちょっとタイヤとフェンダーの隙間が大きいこともあって)一旦下がった状態(下)を見てから純正状態(上)を見ると違和感を感じるぐらいになっています。
走らせた感じでは、やはり標準のサスよりもバネレートがはっきりと上がっていることが感じられます。カーブでもほとんどロールを感じず、いかにもスポーツカーという動きになりました。ただし路面のうねりに素直に追従してゆすられる感じはかなり出てきます。乗り心地は、私としては納得できる範囲ですし、もちろん、前の抜けきったサスに比べれば非常に良いです。車に興味のない助手席の人はちょっと乗り心地悪いなあと感じるでしょうが・・・ダンパーよりもバネレートそのものの違いが効いていると思います。
ダンパーのセッティングですが、ちょうど中間(30クリックのうち15クリック)ではすこし減衰力が足りないように感じられたので、フロントを5段階、リアを7段階ほど強めたら、滑らかな路面では姿勢変化がかなり抑制され、いい感じになりました。しかし、今度は非常にスパルタンな乗り心地に。長距離の通勤での荒れた路面では腰に来そうです。そこで今度はかなり緩めてみたら、姿勢変化は大きくなりますが快適性は大きく向上しました。やはりシチュエーションで変えるのが良さそうで、通勤は最弱に近いセッティング、先日体験したオートテストやジムカーナでは強めのセッティングが良さそう。
ブレーキの制動力やフィーリングにも違和感はありません。むしろ踏み始めの初期制動の立ち上がりが素早くて、個人的にはより好印象になりました。
ピロボール式なので音がどうなのか、は気になるところだと思います。市販車の標準のサスはタイヤやサスペンションからの音を遮断することを最優先に設計されており、サスのアッパーマウントなど各部にゴムが使われています。それがありませんので、1つには路面を転がるタイヤの音が大きくなります。体感では、音質も含め、少し風切り音が強くなったかな、という感じになります。それと、路面の凹凸でサスペンションが大きく動いたときに少しギシギシと音がすることがあります。ピロボール式の宿命ですのでここは納得しておく必要があると思います。いまのところゴトゴト音はしません。バネの上端・下端のスプリングシート部分にチェーンルブを吹いてみたらギシギシ音もしなくなったので、しばらくこれで様子を見てみます。
最後に総合的なコストの比較です。ブレーキと足回りに工賃込みで40万円近くかかり、総合的には60万円を要しました。ディーラーの車検見積もりから10万円しか安くなっていませんし、省いた項目もありますが、一番の違いはダンパー・ブレーキともに4輪とも処置したことです。整備店からは、やはりリアダンパーだけでなくフロントダンパーも抜けていたという話も聞き(体感でもそういう感じでしたが)、全体としてはうまくコスト圧縮できたと思います。
あとは低ダストのパッドの効果がどれぐらいあるか。今回頑張ってかなりホイールを綺麗にしたので、またしばらくしたらレポートできると思います。
2019.6.23 追記:サスとブレーキ交換後、約20日、1500kmほど走りました。サスは初期の渋さが取れてきてよく動いている感じで快適性が上がっています。特に気になる異音も出ていません。
ブレーキの交換によるホイールの汚れですが、効果大です。1500kmも走れば、前はかなり真っ黒になっていたと思うのですが、交換後はあまり汚れていません。ただし(頑張ってホイールをきれいにしたつもりでしたが)ホイールの裏側の汚れが雨などで濡れたときに流れてきたと思しき汚れがあります。あたりがついてきてからはまた汚れ方も違うので、また今日、今度は裏側まで頑張って洗っておきました。また1〜2ヶ月後にレポートしますが、いまのところの感触では「効果大」です。ブレーキのフィーリングも結構良いです。
2019年05月12日
はじめてのモータースポーツ参加
モータースポーツは昔からよく観戦していて、1990年代には鈴鹿にF1や耐久レース(鈴鹿1000kmなど)を見に行っていました。富士スピードウェイまで遠征したことも。でも、ライセンスにしろ装備にしろ、やはりなかなか敷居が高く、モータースポーツ競技に参加したことはありません.一度、ビートで鈴鹿サーキットのフルコースをパレード走行したことはありますが・・
そんななか、ふと目に入ってきたのが、近所で行われる自動車イベントに併設された「オートテスト」なる自動車競技。なんだろうと思ってみてみると、ヘルメットもグローブも、ライセンスも不要とのこと。速度域も低く、事故のリスクはなさそう、車両の消耗も少なそうだし、せっかく近所での開催なんだから、と、気まぐれで申し込んでみました。
「オートテスト」という競技はあまり知られていないようで、私自身も、少し聞いたことがあるような・・という程度でした。舗装路面にパイロンを並べてタイムを競う、という点ではジムカーナに似ていますが、最も違うのは後退での走行が必ず含まれる点。典型的なのは車庫入れや縦列駐車の動きで、車両感覚や正確性が問われます。一方でコースの速度域は低めに設定されているのと、おおよそ1分以内で走行できるようコース設計されているので、安全で、車への負担も軽そうです。本来は国内Bライセンスを取ってエントリーするようですが、体験走行もできるということで、それに申し込みました。
会場は近所の「道の駅」の遊水地を兼ねた駐車場で、なんとあちこちに砂が溜まったような、とても滑りやすそうなコンディション。競技にエントリーされている8台の練習走行と競技走行をひと通り見ましたが、どれも思った以上に全力走行です。まあ、タイムを競う競技なので当たり前ですが・・・バック走行だけでなく、完全停止からのスタンディングスタートや、フルブレーキでの停止が多いのも面白さの1つになっていて、車庫エリアに速度を乗せたまま突っ込みフルブレーキでギュッと止まり、即刻ギアを逆に入れて飛び出すという、公道でやったら怒られること間違いない、危険極まりない走行を繰り返すわけです。パイロンを抜ける部分などのほかは、コース取りは比較的自由なので、速度の乗ったところではやはり回転半径と速度の相談になり、滑るときは滑りますし、発進/停止を含めてスキール音も頻繁に聞かれます。これは,思ったより激しいぞ・・・
そうこうしているうちに競技が終わり、体験走行の時間になりました。考えてみれば自分の車にゼッケンを貼るのも初めて。持参したマステで貼ったら、はいではこちらへ、と、すぐに走らせてもらえました。初めてと言っても、車は8年間乗った乗りなれた車両、こういうとアレですが少々のスライドコントロールも手の内にある気心の知れた車なので、1本目は8割程度、2本目は割と全開、むしろちょっとぐらい派手に滑らせて魅せてやろうという感じで走りました。結果は、・・・タイムだけで見れば、競技の方々の中でも2位につけるタイム。しかし残念ながらパイロンの土台を少し踏んだようで5秒の加算があり、それでも競技タイムの中で4位のスコアになりました。でも、速かったと褒めてもらい、主催者の方にジムカーナへの参加も勧められ、ちょっとその気になってきました。これは危ないかも・・・
オートテストはモータースポーツの入門として、国内モータースポーツの総元締めでもあるJAFが振興しています。英国では伝統のある競技らしく、年間1000戦ほどもあるとか(動画を見てみると、もはや別の競技ですが・・日本ではナンバー付き限定、サイドブレーキ禁止です)。入門競技とはいえちゃんと運転技術は問われるし、日常の運転にも役に立つかも?どんな車両でも、なんの装備もなしに参加できるので、みなさん、ぜひ体験してみてください!サーキットで必要になるような車の速さや耐久性もあんまり関係なく、むしろ小さな軽自動車が有利だったりもするので、面白いと思います。
そんななか、ふと目に入ってきたのが、近所で行われる自動車イベントに併設された「オートテスト」なる自動車競技。なんだろうと思ってみてみると、ヘルメットもグローブも、ライセンスも不要とのこと。速度域も低く、事故のリスクはなさそう、車両の消耗も少なそうだし、せっかく近所での開催なんだから、と、気まぐれで申し込んでみました。
「オートテスト」という競技はあまり知られていないようで、私自身も、少し聞いたことがあるような・・という程度でした。舗装路面にパイロンを並べてタイムを競う、という点ではジムカーナに似ていますが、最も違うのは後退での走行が必ず含まれる点。典型的なのは車庫入れや縦列駐車の動きで、車両感覚や正確性が問われます。一方でコースの速度域は低めに設定されているのと、おおよそ1分以内で走行できるようコース設計されているので、安全で、車への負担も軽そうです。本来は国内Bライセンスを取ってエントリーするようですが、体験走行もできるということで、それに申し込みました。
会場は近所の「道の駅」の遊水地を兼ねた駐車場で、なんとあちこちに砂が溜まったような、とても滑りやすそうなコンディション。競技にエントリーされている8台の練習走行と競技走行をひと通り見ましたが、どれも思った以上に全力走行です。まあ、タイムを競う競技なので当たり前ですが・・・バック走行だけでなく、完全停止からのスタンディングスタートや、フルブレーキでの停止が多いのも面白さの1つになっていて、車庫エリアに速度を乗せたまま突っ込みフルブレーキでギュッと止まり、即刻ギアを逆に入れて飛び出すという、公道でやったら怒られること間違いない、危険極まりない走行を繰り返すわけです。パイロンを抜ける部分などのほかは、コース取りは比較的自由なので、速度の乗ったところではやはり回転半径と速度の相談になり、滑るときは滑りますし、発進/停止を含めてスキール音も頻繁に聞かれます。これは,思ったより激しいぞ・・・
そうこうしているうちに競技が終わり、体験走行の時間になりました。考えてみれば自分の車にゼッケンを貼るのも初めて。持参したマステで貼ったら、はいではこちらへ、と、すぐに走らせてもらえました。初めてと言っても、車は8年間乗った乗りなれた車両、こういうとアレですが少々のスライドコントロールも手の内にある気心の知れた車なので、1本目は8割程度、2本目は割と全開、むしろちょっとぐらい派手に滑らせて魅せてやろうという感じで走りました。結果は、・・・タイムだけで見れば、競技の方々の中でも2位につけるタイム。しかし残念ながらパイロンの土台を少し踏んだようで5秒の加算があり、それでも競技タイムの中で4位のスコアになりました。でも、速かったと褒めてもらい、主催者の方にジムカーナへの参加も勧められ、ちょっとその気になってきました。これは危ないかも・・・
オートテストはモータースポーツの入門として、国内モータースポーツの総元締めでもあるJAFが振興しています。英国では伝統のある競技らしく、年間1000戦ほどもあるとか(動画を見てみると、もはや別の競技ですが・・日本ではナンバー付き限定、サイドブレーキ禁止です)。入門競技とはいえちゃんと運転技術は問われるし、日常の運転にも役に立つかも?どんな車両でも、なんの装備もなしに参加できるので、みなさん、ぜひ体験してみてください!サーキットで必要になるような車の速さや耐久性もあんまり関係なく、むしろ小さな軽自動車が有利だったりもするので、面白いと思います。