2013年11月04日
マウントアダプターでレンズ再活用 その1
ソニーのNEX-5を入手しました.このカメラ,大きな撮像素子を搭載している割に薄型で,古今東西のレンズをアダプターを介して取り付けられるという隠れた魅力を持ったカメラですが,そのアダプターに「これは!」というものが出揃ってきたので,いよいよ手を出したというわけです.今回はそのうち,ライカのレンズを取り付けるアダプターを紹介します.
カメラには今でもよく使われている一眼レフタイプの他に,レンジファインダータイプと呼ばれる距離計を備えたカメラがあります.このタイプのカメラはレンズが小型軽量で,一眼レフよりも前に使われていたことや超高級機が多かったこともあって古くて味わいのあるレンズが揃っています.ただこれらのカメラ・レンズには欠点があって,距離計の計測範囲の関係上,70〜90cmよりも近いものにピントをあわせることが出来ません.そのため,例えば机の上の料理を撮影しようと思ったら少し下がらないといけないし,被写体を大きく写すことも出来ませんでした.しかしこの「レンジファインダー用」のレンズをソニーNEXに取り付けるアダプタに,より近くにピントをあわせることが出来る「補助ヘリコイド内蔵タイプ」が発売されるようになりました.
上の写真のように,レンズとボディとの間にある黒色のマウントアダプターそのものが約5mm伸縮します.ライカMマウントとソニーEマウントの厚みの差は10mm以下ですが,よくその中にこれだけのものを作りこんだという感じです.ともあれ,これを使うことで,レンズにもよりますが,30〜40cmぐらいまで近寄って撮影することが出来るようになります.
このマウントアダプターは,ボディのソニーEマウントをライカMマウントに変換するものですが,Mマウントからは他のアダプターを介することでさらに他のカメラ用のレンズをつけることが出来ます.上の写真は,こちらで以前に紹介したベネズエラ製のニコンSマウントアダプターを用い,ニコンS2用のニッコールS 5cm F1.4 レンズを取り付けたところです.このレンズは,開放絞りではシャープでありながらもソフトレンズに匹敵するぐらいの柔らかいハロが現れ,そこから少し絞ると急激にシャープになるという,1本で二度美味しいレンズです.
しかしソニーNEXに最も似合うレンズというとこのレンズかもしれません.このレンズはミノルタが1981年に発売した,CLEというカメラ用のレンズ,M-ROKKOR 40mm F2で,いわばオールドレンズでも最新レンズでもないセミクラシックとも言えるようなレンズで,隅々までシャープに撮影できます.ミノルタのカメラ事業はその後コニカと合併してコニカミノルタになり,さらにソニーと合流したので,その意味では「準・純正レンズ」といったところでしょうか?
このミノルタ製レンズを装着した時,上の写真のように実測で30cm弱の距離にピントをあわせることが出来,カメラを画面からはみ出るぐらいの大きさで捉えることが出来ます.
上の写真は,レンジファインダーニコン用の W-Nikkor 3.5cm F2.5 で撮影したものです.近接時も収差が増加せず,非常にシャープに撮影できることがわかりますが,このような性能はこれまでのカメラでは見ることが出来なかったのだと思うと感慨深いものがあります.
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