2013年06月01日

キワモノ・・にあらず

今回は,まともな人なら買わないであろうカメラアクセサリ,3倍テレコンバーターのご紹介です.

テレコンバーター(リアコンバーター,エクステンダー)はカメラとレンズの間に装着して,レンズの焦点距離を普通1.4〜2倍程度に伸ばすアクセサリです.

tc-all.jpg


上の写真の4個のテレコンバーターは,シグマとケンコーから発売されている(または,過去に発売されていた)テレコンバーターです.うち黒い3本がシグマ製で,私が望遠レンズとしてメインで使っているシグマ 100-300mm F4 EX DG HSM に装着するために使っています.左下の薄いものが1.4倍で,右下のものが2倍のそれぞれ現行タイプ(DGタイプ).右奥のものも2倍で,少し古い非DGタイプですが,同じ2倍がなぜ2つもあるのはか後述します.そして左奥の白いものが今回の本題,ケンコーのテレプラスPRO300 3Xです.

screw.jpg


これらのテレコンバーターのうち2本には,ニコン純正にない特徴があります.それはオートフォーカス用の連動スクリューを備えているという点です.ニコン製のテレコンバーターはレンズ内にオートフォーカス用のモーターを備えているレンズ(AF-S, AF-Iレンズ)専用で,それ以前のオートフォーカスレンズ,つまりカメラボディ内のモーターからレンズ側へ機械的に力を伝達してピント合わせをするタイプのレンズを使うことができません(そのため,これらのニコン製テレコンバーターは,対応する一部の大口径超望遠レンズにしか装着できないように細工がされています).上の写真の赤丸内はオートフォーカス連動用のスクリューです.

sigma-2x-comp.jpg


最近はレンズ内にモーターを搭載したレンズが増え,またカメラとしても,ボディ内モーターを省略した機種が増えてきたために,テレコンバーターからもこの手のスクリューが省略されるようになってきています.シグマ製のテレコンバーターでも,現行モデルでも既にスクリューが省略されています(その前の非DGタイプでも,上の写真のものにはスクリューがありますが,付いていないものもあります).またケンコーの3倍テレコンバーターでも,私の所有するものの後継機種,PRO300 3XM でもスクリューが省略されマニュアルフォーカス専用となっています.しかしそれでは不便なため,わざわざ旧型のスクリュー付きのテレコンバーターを探して購入したわけです.

set.jpg


これらのテレコンバーターをつけた様子です.上の写真は,シグマの 100-300mm F4 EX DG HSM というレンズ(モーター内蔵レンズ)に,1.4倍のテレコンバーターをつけたところです.このレンズは既に製造中止されていますが,単焦点の300mm F4レンズに迫るほどの非常に高い性能を持っていることで一部で有名なレンズです.1.4倍のテレコンバーターを付けると合成F値が5.6になるため,上のようにマウントアダプターFT1を介してニコン1に装着するとオートフォーカスが使用出来ます.

また下の写真は,3倍テレプラスを旧型のAFニッコール 300mm F2.8 に装着したところです.このレンズはボディからAF駆動するタイプで,こちらも既に製造中止されていますが,この3倍テレプラスを装着すると合成F値がF8あたりになり,D800でオートフォーカスを使うことができます.現行型のAF-S 300mm F2.8 では最大でも2倍のテレコンバーターしか存在しないので,その点ではこの旧型の組み合わせにアドバンテージがあることになります.

DSC_2340s.jpg
900mm F12

さて,この手のテレコンバーターというと画質劣化が気になるところです.よく「つけずに撮った写真をトリミングしたほうがまし」といわれることもありますが,撮り比べて詳細に比べてみると,まったくそんなことはありません.D800Eの高解像度でも,テレコンを付けて撮影した写真と,つけずに撮影した写真を同じ大きさにして比べると,テレコン装着時のほうが良くなります.特にレンズは少し絞り込むと性能が良くなるので,その条件では確実にテレコン装着時のほうが高解像度です.

そして,この3倍テレプラス.これにはまったく驚かされました.海外のサイトで,2倍テレプラスよりもずっと性能がよく,F2.8開放から中心部でも使い物になる画質が報告されています.また国内でもいくつかのブログ等(例えばここここ)で,けっこういける,という報告がありますが,実際にその高い性能を自分でも確認ができました.上のシグマ製のテレコンバーターでは,1.4倍は非常に高性能なのですが,それに比べると2倍は少々,性能がよくなく,色収差が増加する傾向にあります.それに対しこのケンコーの3倍は色収差が少なく,また周辺光量も豊富です(シグマの2倍を装着して,中央部分を切り出したものよりも均一です).色収差が少ないことからオートフォーカスの精度も高く,ちゃんと最良像のところにピントが合ってくれるのもよい印象でした.上記 AF Nikkor 300mm F2.8 に装着して使ってみたのですが,このレンズとの相性が良かったということもあると思います.このレンズは古い設計のため色収差が少し残っていますが,そちらのほうがテレコンバーターの性能よりもずっと問題になるぐらいです.

2378s.jpg
900mm F16

上の写真は手持ち 900mm F16 相当で撮影したものを等倍切り出ししたものです.さすがにD800Eの解像度を満足するほどの性能はありませんが,3倍テレコンで900mmと考えるとかなり良い画像です.オリジナルサイズ(7360x4912画素,Adobe Lightroom4 で現像)の画像を以下に載せていますので,良ければ見てみてください.

オリジナルサイズ撮影例はPicasa Web Album

DSC_2373s.jpg
900mm F16

残念ながらこの高性能なテレコンバーター,オートフォーカス連動用のスクリューが省略されたモデル 3XM も既に製造中止となり,市中在庫のみとなっているようです.ウェブ上を見ても,上で挙げた一部を除きキワモノのような扱いをされていますが,なにせ倍率が大きいだけにマスターレンズの性能が非常に高くないと使い物にならず,不当な評価しか得られなかったのだろうと思います.こういうアイテムを安くで発掘するのはカメラ遊びの楽しみの1つとはいえ,残念な気がします.
posted by しんさく at 22:43| Comment(1) | TrackBack(0) | カメラ
この記事へのコメント
テレプラス PRO300 2倍を買いました。
ぜんぜんOK
600mmレンズ買わなくてよかった。
重い重い
Posted by at 2016年07月18日 20:05
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