僕が小さい頃はまだまだ科学技術信奉のムードが残っていた時代だと思います.科学技術が労働を楽にして,ひぃひぃ働かなくても暮らせる未来が来る,みたいな幻想?があった時代かも知れません.しかし現在はそれが実現されることが果たしていいことなのか,というような疑念もあるし,環境やエネルギーなどのネガティブ要素とのバランスも考える必要があります.つくづく,夢が持ちにくい時代になったなと思います.実際にはそういうネガティブな部分も科学技術がまた解決すべきで,科学技術の追求が否定されるべきではないと思っているのですが,世の中ではもっと単純化して,善か悪か,みたいな水戸黄門的思考の人も多いみたいです.科学技術追求の成果が金銭的価値で測られることそのものが問題なのだと思うのですが.
ともあれ,僕が小さい頃はそういう科学技術にもっと純粋なあこがれが持てた時代で,未来は絶対に科学者になるのだと物心ついた頃から決めてました.今,それを実現した・・といえばウソではないのですが.とにかくそういうことで,電気やコンピュータには小学生時代から異常な執着があり,半田ごてを始めて握ったのが小学校2年生,電話級アマチュア無線技師の免許を取ったのが6年生で,コイルとコンデンサの共振周波数の公式 f= 1/(2π√(LC)) もそのころに覚えたものです.
電気系学生の学生実験ではオシロスコープを使った実験は必須課題のようなもので,僕もそのころにはアナログ式のオシロを使い,画面の波形を方眼紙にスケッチしたものです.ですが,波形が記録できるデジタル式オシロスコープはいかにも「プロの道具」という案配で,平気で数百万円の価格がついていました.しかし今は時代が変わり,液晶画面が備わったデジタルオシロがとても安くなっています.アナログオシロスコープは数万円ぐらいのものが出てきて,学生実験の設備更新でも予算上の苦労をする必要が無くなってきています.
そして2009年末,ついに写真のような超小型のデジタルオシロ "DSO nano" が発売になりました.これはいかにも,上に書いたような「オシロが買えなかったトラウマ」を持つ元青少年向けのオモチャで,プロの道具とは一線を画すものですが,なんと言っても1万円以下で買えるとあって,つい香港の通販業者のウェブサイトでポチっと買ってしまいました.
サンプリングレートが 1MHz と遅いため,実用的に観察できるのは 100kHz ぐらいまでの波形でしょう,ですがオーディオ信号の観測には十分です.それより1チャンネルしか入力がないのがオシロとしては残念ですが,まあ,信号来てるかな?というノリで使う分は問題ないと思います.屋外での装置のチェックや,潜り込んでの作業では意外と役に立つかも知れません.
テスターでは信号の状況はチェックしがたい場合が多いのですが,逆にこの DSO nano には DMM の機能はないので,抵抗値や導通のチェックは出来ません.まじめに使うならやっぱり,フルークの DMM 統合スコープメータなんかがいいんでしょうね.まあ,ヒトケタ以上は高くなりますが...
まあ,そういう「実用上の意義」はともかくとして,手のひらに乗る DSO ということの驚き,トラウマの解消,という意味ではなかなか意義深い?オモチャではあります.これを必要なときにさっと取り出してトラブル解決・・といけば格好いいんでしょうけれど,さすがにデジタル時代の今は,なかなかそういうチャンスはないような..
しかし小学生から方程式、中学生でコンピュータなんて、さすがにもう末は学者かエンジニア間違い無かった訳ですね。
私は何をしていたのかなぁと思い出してみれば、友達と「タイガー・ロケッティA」という個体ロケットエンジンを買ってきて、打ち上げて遊んでいました。岡山の天体物理観測所へ見学に行ったりもしましたねぇ。
それにしても個体ロケットとはこれまたロマンのあるものですねえ.そのうち背中にくくりつける個人用ロケットを買っちゃわないようにお気を付けください..