2025年08月25日

スマホの高画素カメラは是か非か(3)

今回は、標準の「写真モード」中で設定できる細かな設定が画質に及ぼす影響について調べてみます。細かな話のようですが、実は結構、画質への影響大でした。

options.jpg

写真モードでは上の写真のように、細かな設定ができる場所が2箇所あります。その中で画質に大きな影響があるのは「スマート高解像度」と「ショット最適化」です。スマート高解像度をONにすると、明るい日中など条件を満たしたときに、倍の大きさ(画素数は4倍)の6400万画素の画像で写真が保存されるようになります(条件を満たしたときは写真上のように「スマート高解像度ON」という表示が出ます)。また設定の中の「ショット最適化」は説明にあるように、写真を自動で調整する機能です。ほかに「自動HDR」なども画像に影響がありますが、今回のような順光の日中では動作しないため、今回は割愛します。

smart-hr.jpg

「写真モード」で「スマート高解像度」と「ショット最適化」をon/offしたときの画質の変化をまとめました。「スマート高解像度」が働くと(明るいときしか発動しません)保存される画像の画素数が大きくなるので、公平な比較のため、「スマート高解像度off」の時の画像を2倍に拡大してあります。スマート高解像度がonになると撮像素子からの読み出しモードが16MPixelのビニングモードから64MPixelの全画素読み出しモードに切り替わり、解像感がぐっと向上することがわかります。あとから示しますが、この解像感は "Ultra-Res" モードとほぼ同等です。

問題は「ショット最適化」です。これが働くと、このような風景の場合、空の彩度がかなり上がります。見た目にかなり華やかな印象になりますが、実際のシーンと比べるとかなり強調されていることも確かで、好みの範疇かもしれませんが、ナチュラルな発色という意味ではoffのほうが良いでしょう。またなにより、前回のテストでも問題になった「エッジ強調」の強度がこれによって変わります。特に「スマート高解像度」がoffのときが顕著で、山の稜線に黒いエッジができているし、遠くの鉄塔の左右にも白い縁取りが現れています。ほかにもあちこちに不自然な部分があり、いかにもスマホ臭い、安っぽい画質の元凶はこのモードによるものと思われます。ただしおそらくシーン認識により動作が切り替えられており、人物を撮ったときの肌の補正などにも影響する可能性があると思います(未検証)。ただ幸いなことに、「スマート高解像度」が発動しているときはエッジ強調の強度が弱められていて、解像度が低いときほどの悪影響はありません。ですが、スマート高解像度は動作したりしなかったりするので、「ショット最適化」はoffにしていたほうが無難な感じがします。なお色味やエッジ強調の感じは「プロモード」の写真に近いため、おそらく「プロモード」では「ショット最適化」の設定は無視され、常にoff担っているように思われます。

次に「スマート高解像度on」のときの写真モードと、Ultra-Resモードの画質とを比べてみます

ur.jpg

等倍表示など大きくしないと見えないかもしれませんが、これらのモードでの最大の違いはノイズです。明るい環境でも Ultra-Res モードの画像は少しノイジーで、空などのフラットな部分でそれがわかります。それに対し写真モードではノイズ除去が動作しているようで、空などフラットで明るい部分ではノイズが見られません。細かく見ると、遠くの鉄塔が張る電線が消えかかっているなど細かく見ると違いはありますが、全体としてはあまり差はなく、ノイズの有無が最大の違いと言えるでしょう。またショット最適化をonにしたものはエッジ強調が働き、その副作用としてまたノイズが少し増えているように思われます。空の部分などでは違いはわかりまsんが、暗部でそれが少し目につきます。

なお Ultra-Res モードではショット最適化をon/offしても画質に変化はなく、このモードでは設定が無視されているようです。

さて結論です。画質としては、写真モードで「スマート高解像度on, ショット最適化off」が自然で、かつノイズも少なく、ファイルサイズも小さいため、メリットが大きそうです。ただ問題は、それが必ずしも発動するとは限らない点です。自動で切り替えてくれる、と前向きに捉えることもできますが、勝手に画像サイズが増減するのもやっかいです。そもそもスマホの写真は画質を求める場面ばかりではなく、メモ代わりの撮影ということも多いので、写真モードは「スマート高解像度」と「ショット最適化」を共にoffにして使うのがよいように思われます。

幸いなことに、この razr 40 の標準カメラアプリは、前回使用時の設定を次回起動時に保持する機能があります。つまり、いったん Ultra-Res モードで撮影すると、次にまたカメラを起動したときにまた Ultra-Res モードで撮影できます。このことから、Ultra-Res モードと写真モードを使い分けるのも1つの方法かと思います。「スマート高解像度」をワンタップで on/off できればいいのですが、残念ながらそうはなっておらず、〉のボタンと合わせて2回の操作が必要なのも少し残念な点かもしれません。

次回は最後に、スマホ撮影画像を高解像度のフルサイズミラーレスカメラ、Nikon Z7 と比べてみたいと思います。
posted by しんさく at 00:55| Comment(0) | TrackBack(0) | カメラ
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