2018年01月07日

Light L16 の被写界深度調整

2018.7.26追記 Light L16 が国内販売開始との報道がありますが,ヴェルテは過去,日本未導入ガジェットの輸入販売で多数のトラブルを起こしています.「松川 ゲッコー」等で検索され,適切に判断されるよう強くおすすめします.

参考
http://eps-r.hatenablog.com/entry/2017/11/16/welte
http://nozomi.2ch.sc/test/read.cgi/shop/1507605776


Light L16 の16個のレンズは全て,開放絞りに固定されています.スマートフォンのカメラでも同様に,基本的に絞りの調整は出来ません.なぜなら撮像素子が小さいため,絞りを絞っても画質が低下するだけでメリットがないことと,絞りを絞らなくても被写界深度が十分に深いためです.また同時に,背景を大きくぼかした写真を撮影することは出来ません.

しかし Light L16 には多数のカメラが備わっているため,それらを用いて「ステレオ計測」することで,被写体の形状を求めることが出来ます.これにより事後的に背景をぼかすような処理ができます.この種の機能は以前に紹介した LYTRO 社のカメラの特徴でしたが,最近では iPhone の上位モデルなど複数のレンズ(カメラ)を備え,やはり同様にステレオ計測を用いて背景をぼかすものが一般化してきました.

L16_00115F15.jpg

上の写真は Light L16 で撮った写真をそのまま出力したもので,人工的なぼけ付与はされておらず,もっとも被写界深度が深いものです(フルサイズセンサ搭載のデジタルカメラにおいて,75mm F15 相当です).これを専用ソフト Lumen を用いて処理することができ,以下のような写真(75mm F2相当まで可能)を生成することが出来ます.

L16_00115F2.jpg


背景が全体的にぼけているだけでなく,被写体上でも奥行きに応じて徐々にぼける効果が得られています.ただし,主要被写体の間からわずかに覗く背景など,どうしてもうまく距離計測ができない部分が生じ,そこでは不自然なぼけとなることがあります.

lumen.jpg

専用ソフト Lumen の画面では,左上のスライドバーが被写界深度(絞りのF値)の調整用で,その下にあるボタンがぼけ効果の修正用の機能です.距離計測を間違った領域を指定・修正することが出来ますが,まだソフトウェアがベータ版であるためか,必ずしも思い通りに修正できるようにはなっていません.

ソフトウェアはこれからも改善が続けられるので,このぼけ制御機能も高性能化していくと思われます.2つしかカメラを搭載していないスマートフォンよりもずっと高精度にぼけ付与することが出来ますが,本当のレンズで撮影したものと区別がつかない程度にきれいにぼかすのは難しいだろうと思います.雑然とした背景をぼかしてSNSに投稿したいような場合に向いている機能といえるでしょう.
タグ:Light L16
posted by しんさく at 01:02| Comment(0) | TrackBack(0) | カメラ
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