2024年03月02日

車高調の動きをスムーズに

年間走行距離が約2万キロと、割と走るため、約5年前に入れた車高調も9万キロを超えました。最初の(新車当時からの)サスはビルシュタイン製のはずですが10万キロで完全にダメになったので、割とこの製品は耐久性があったなという感じがしています。

ただ、どうしても車高調だから乗り心地が純正より劣る気がします。これは新品時から感じていたことで、ストロークが短く減衰力も高いので当然ではあるのですが、小さな入力のときの微小な動きの滑らかさが劣る感じもします。これは「純正形状」でなく車高調だからということもあると思います。

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形状で乗り心地が違うのかよ。と考える方もあると思いますが、それが実は大きな問題なのです。といってもストラット式サスペンションに限定する話なのですが、純正形状サスは上の図のようにバネが傾けて取り付けられています。これをオフセットスプリングといい、車重によりストラットを曲げようとする力を緩和します。上の図では簡単のためロアアームの影響を無視していますが、概念的にはこのように、力がかかる方向にバネの向きを揃えることでストラットに曲げ応力がかからないようにし、スムーズな動きを助けます。しかし、車高調は一般的にバネとダンパーは同じ向きに取り付けられているので、ストラット部分の滑りが良くないと動きが渋くなることがあります。(なお、ダブルウィッシュボーンやマルチリンクなどのサス形式では、そもそもダンパーに曲げ応力がかからないため無関係です)。ボクスターは4輪ストラットのためこの影響が大きい車種と言えます。

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そこで今回、ストラットの摺動部にモリブデンペーストを塗布してみました。タイヤを外し、ダストブーツをめくりあげて割り箸で固定したら、歯ブラシでペーストをたっぷり塗りつけます。さて、結果は・・効果絶大。まるでタイヤを新品に交換したときのような、または、なにか絨毯の上を走っているかのような感覚です。



あとは、どれぐらいこの効果が持つか。シリコンオイルではあまり長持ちせず、それよりは良い感じですが、やはり距離が進むとだんだん下に戻っている気もします。なかなか感覚的なもので、慣れもありよくわからないところですが、とにかく効果はあると感じました。モリブデン潤滑剤にはスプレータイプもあるので、それをストラット頂部のピロボールに使っています。こちらもハンドルの感触や異音軽減に効果があるような・・もともとそう違和感はないので、はっきりしませんが、車高調にして乗り心地や異音に悩んでいる方は試してみたらいいのではないかと思います。

posted by しんさく at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) |