2020年07月05日

ホバークラフトを作ろう(8)COXのさらに小さいエンジンを試す

前にCox の 0.8ccのエンジンをホバークラフトに取り付けてみた話を書き込みましたが、どうもこの手の小さいエンジンにはまってしまったようです。今度はより小さい、Cox Pee Wee 020(0.33cc)を入手して試してみました。

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今回はエンジンと舵のサーボを一体化したホルダーを作ってみました。舵も3Dプリンタ製です。最初なかなかエンジンがかからず、見てみたらかなり濡れた状態だったのでニードルを絞りきってみるとエンジンが掛かりかけます。そこから開いていくと、ちょうど良いニードルの位置は約1周ちょっと、エンジンを掛ける最初のときでも1周半も回すと多すぎるぐらいでした。プロペラは .049 の時と同じAPC Speed400 4.5x4.1 で、Pee Wee 020 には少し荷が重い様子であまり高音まで音が上がりません。

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回転数を測ってみると(今はスマホの音声入力から回転数を割り出すアプリがあります)12,500rpm程度でした。推力をプロペラの直径とピッチ、回転数から求める方法があり、それによると推力は128g。プロペラの直径内で均等に空気が流れていると仮定すると風量は約6m3/min、風速は9.7m/s となりました。風量は大きいですが風速は低めです。ホバークラフトの実際の自重350gに対して、損失がないと仮定しても浮上限界の質量は620gとあまり余裕がありませんが、風量が大きいので浮上さえしてしまえば4mmほど浮き、アスファルト路面でも走りそうです。



走らせてみました。重量バランスが今ひとつですがうまく走りました。燃料が濃すぎたり薄すぎたりして回転数が10,000rpmを割り込むと滑らなくなり、これも計算通りと行った感じです。推力が小さめなこともあって運転しやすいですが、なにぶんラジコンが下手くそなもので(右に回ろうと思っていても左に回してしまうこと多数)、ちょくちょくヘルプに走っていますが・・・エンジンが小さいためもあるでしょうが、 049 エンジンのときに比べると回転が上がらないこともあって音がかなり小さめです。しかし余力がないのでスロットル制御する余地はない感じでした。

最後に、ホバークラフトの設計に用いている Excel のファイルをダウンロードできるようにしておきます。こちらはホバークラフトに限らない基礎的計算で、風速風量から推力を求めたり、プロペラの仕様と回転数から推力を求める計算が入っています。リーフブロワーの出力特性を2次関数近似したものも入っています。またこちらはホバークラフト設計検討用のファイルで、ファンの風速風量とホバークラフトの大きさ・重さ、ファンの風量のうち何割を浮上に回すかを入れると、最大荷重、浮上高、静止時からの加速度などが求められます。
posted by しんさく at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ラジコン

ステンレス線でスチロールカッター

先日から作成しているホバークラフト、大きな農機具(リーフブロワー)を乗せるタイプも、PC冷却ファンや小型のCoxエンジンを乗せるタイプも、どちらも発泡スチロールが主な素材になっています。それを切ったり削ったりしていくわけですが、どうしても細かな粉が出ます。発泡スチロールの粉はとても静電気を帯びやすく、服についたら取れにくいし、どこにでも入り込むため屋内作業はしたくないところ。スタイロフォームをカッターで切る場合はさほどではないですが、これはこれで結構力がいるし、ということで、やっぱり熱線式のスチロールカッターに限るな、ということになりました。

そこで例によって amazon などでニクロム線を探してみるわけですが、いろんな太さがありどれがいいのかわかりません。それでネット検索。すると素晴らしいことに、どれぐらいの電力で熱すればちょうどよい具合に切れるか調べたブログが見つかりました。それによると、0.4W/cm(1cmあたり0.4W)ぐらいがよいようです。これと、ニクロム線の単位長さあたりの抵抗値(Ω/m)ぐらいががわかれば、どれぐらいの電圧・電流になるかがわかります。抵抗値が高いと電圧が高めで電流が小さくなりますが、あまりに電圧が高いと感電の危険があります。逆に抵抗値が低いと電流を大きくする必要があるため、電源の能力が問われたり、配線の太さが問題になります。丁度いいのはどれぐらいかな・・と思ってさらに検索をしていると、なんとステンレス線でも発砲スチロールカッターが作れるという記事を発見しました。たしかに、ステンレス(代表的なもの)も鉄にニッケルとクロムを混ぜたもの(18-8ステンレスというのは、クロムが18%、ニッケルが8%という意味)なので、ニクロム線に近いわけです。

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ステンレス線なら手持ちにいろいろあります(錆びにくく、汎用性が高いので、下手な針金を買うよりもずっとおすすめです)。その中で一番細いものというと、この0.3mmの線。距離を変えながら抵抗値の変化をテスターで調べてみると、どうも10Ω/mぐらいで、狙っていた抵抗値ドンピシャという感じです。さっそくこれで発砲スチロールカッターを作って見ました。電池式だとなにかと便利ですが、エネループ4本で電圧は約5V、ステンレス線の長さを25cmにすると抵抗値は2.5Ωなので約2Aが流れます。全体で10W、単位長さあたりの発熱量は0.4W/cmということでぴったりです。



木の棒で枠を作り、ステンレス線を張ってスチロールカッターにしました。ポイントとしては、ステンレス線へのはんだ付けでしょうか。そのままではハンダが乗らないのでステンレス用のフラックスが必要です。そして切ってみた様子が上の動画。もう少し切れ味が良くてもいいかなと思いますが、切断面もきれいでうまいこと切れました。ステンレスのほうがニクロムよりも抵抗値が低いので、同じ抵抗値ならステンレスのほうが細くなり、かえって具合がいいのではないかと思います。
posted by しんさく at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 電子モノ