2020年06月14日

ホバークラフトを作ろう(6)電動版

なんと同時並行で、電動(モーター式)のホバークラフトも作りました。

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もとはといえば、推力(風量)増大機構を試してみようと購入した「羽根のない扇風機」(Amazon で 1,880円)でした。そもそもはこの筐体にしか興味はなく、また使ってみると音の割に風量が微妙なので、ちょっと試してみてからすぐに分解してみました。するとびっくり・・・円筒形の筐体なのに、中からは四角いファン(でもやっぱり羽の部分はは当然、円形)が出てきました。そうです、放熱のためにデスクトップパソコンのケースに取り付けられるケースファンです。しかしさすがに扇風機として使おうというもののため、結構ハイパワーなモデルのようす。どうせならとそのへんにあった発泡スチロール箱につけて見るとうまく浮上し、小さなモバイルバッテリーを載せた状態でもなんとか浮上します。じゃあこれでもホバークラフトを作ってみよう、と悪乗りを始めました。

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本体は、さすがに四角い箱のままもないだろうと思い、ちょっと凝った構造に挑戦することにしました。それは「ペリフェラルジェット式(周辺ジェット式)」という形式で、船底の周辺部から内側向きに、斜めに気流を吹き出す方式です。この気流の流れにより外へ漏れようとする気流をせき止めようとするもので、過去にはスカートなしのホバークラフトでも試みられたことがあるようですし、現在のホバークラフトでもスカート内部の気流は同様の流れになっています。ホームセンターで25mm厚のスタイロフォームを買ってきて、3枚重ねにすることにしました(1畳分が990円でしたが、使うのはその 1/4だけです)。これを壊さないようにペリフェラルジェットの経路をかこうするのにはかなり骨が折れましたが、なんとか完成。重ねて発泡スチロール用の接着剤でしっかり止めてから再度、外装を削って形を整えました。2段目はボディ內部の空気溜まりを作る部分で、最上段がファンを載せるとともに蓋となります。今回もファンは1つで、ファンの下部 1/3 ほどの領域を浮上用に、残りを推進用に用いる、一人乗りの小型ホバークラフトなどでよく見られる形式です。

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ローコスト化が条件で、また、ファンの能力が乏しいので重量削減も重要です。そこで、専用の充電器を買わなくてもよいモバイルバッテリーを使うことにしました。しかし1つ問題が。それは、ファンは12Vを要するのに対しUSBは5Vしかないことです。そこでネットで検索すると、12Vに昇圧するケーブルが売られていました。Amazonで送料込み699円と非常に安い上、回路部分はUSB端子部分に収められていて小型軽量。しかもその端子部分も簡単に分解できるようで、電流値も条件を満たし、今回の目的にぴったりです。USB端子からはラジコンの受信機とサーボを動かす5Vを直接引き出し、12Vはファンへと接続しました。また、方向舵を動かすサーボも必要です。これも軽くしたいので、やはりAmazonでたった9グラムのマイクロサーボを購入しました。こちらも驚きの5個入り1,599円ですが、これだけあればまた他に作りたいものが出来ても、再利用することなく惜しげもなく使えます。受信機はさすがに高いのでリーフブロアー用と共用します。方向舵は厚紙で作成しました。

そして試運転しました。まずはペリフェラルジェット式の能力を測るべくスカートなしで試してみましたが、テスト時の発泡スチロールの箱に比べて少し重くなったこともあって、浮かないことはないですがあまりスムーズではありません。しかたがないので今回もスカートを付けました。ただし今回はペリフェラルジェットが効果的に働くのでスカートは中央から引っ張るバッグタイプでなく、真ん中に大穴を開けた周辺部だけのタイプとしました。



動作の様子です。モーター式で、しかもかなり静かなので気兼ねなく室内で走らせられます。リーフブロアー式ホバークラフトは偏向ノズル式でかなりステアリングが効いた上、重量物が中央に集中しているので操縦はそれなりにできましたが、今回のものは舵の効きが悪い上によーモーメントの収束が弱く、非常に運転が難しいです。まっすぐ走らせるのも一苦労。しかしその分面白いともいえ、一度、大きな体育館などで走らせてみたいところです。

今回用いたケースファンは一辺が92mm、厚みが25mmの、いわば中型のタイプですが、筐体には 12V 0.45A とあります。0.45Aはこの手のファンとしてはかなり強力なタイプとなります。メーカサイトでも型番(HDH0912VA)が同じものは見つかりませんでしたが、命名ルール的にはHDB0912VAの流体軸受バージョンのようです。その場合、風量は2.24m^3/min、静圧値から求めた風速は約 11.8m/sec となりました。かなり強力なタイプと言えますので、同様の構造でホバークラフトを作られる場合はできるだけハイパワーなタイプを選んでください。
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2020年06月13日

ホバークラフトを作ろう(5)とりあえず出来ました

リーフブロワーでホバークラフトラジコンを作る企画、とりあえず第1ステップはクリアです。一応ラジコンになって走るようになりました。



前回計算したように、とりあえず出口の口径を絞らなければ推力が上がるうえ、浮上力もさほど変化しないようなので、いろいろ案ずるよりはまずは動かしてみようと、製作した偏向ノズルを付けました。するとあっさり、前に比べると見違えるような加速を見せるようになりました。前の動画ではスカートの僅かな引きずりの抵抗や、ガレージの水はけのための勾配で推力の大半が損なわれていたのでしょう。桁が違うほど推力が増したわけではないはずですが、ガレージでは手狭なぐらいの動きを見せるようになりました。まだぜんぜん運転に習熟していないので下手くそすぎますが・・ホバークラフトの滑る動きになれてないだけでなく、そもそもどっちにハンドルを着るのか間違えているような始末ですが、そのうち慣れるでしょう。

梅雨入りしたため広い場所で試せないのが残念ですが、風速が速いために加速は遅くてもトップスピードはもっと伸びるはず。どれぐらいのトップスピードになるのか試してみたいと思います。しかしこれでも運転は十分遊べるので、推力の増大の優先度は下がりそうです。それよりはまずスロットル制御ですが、エンジンパワーを絞ると浮上しなくなるので、ノズルの部分にバタフライバルブでも入れようかと検討しているところです。
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2020年06月11日

ホバークラフトを作ろう(4)

前回の実験では全然前に進まなかったホバークラフト。理由を探ってみました。

そもそもリーフブロワーは風量よりも風速を重視して作られています。この場合、静止時の推力は大型の扇風機のような風量の大きいものよりも不利になってしまいます。推力は運動量、つまり単位時間あたりの空気の質量と風速の積で決まりますが、運動エネルギーは風速の2乗に比例するため、風速の速い送風機は推力の面では不利なのです。なので旅客機のエンジンには戦闘機のエンジンとは異なり外周にファンが付いたターボファンエンジンが用いられています。自動車で言えば、戦闘機は1速のローギアでなく2速や3速で発進しようとしているようなものだと言えます。

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もう1つはブロワーの性能による問題です。ブロワーは出口を絞ると風速が上がりますので、リーフブロワーでは先端がある程度細くなっています。しかしそれでは細くするほど風速が上がるのかというとそうでもなく、ある程度以上絞っても風速が上がらなくなります。上の図は、今回使用しているリーフブロワーとほぼ同等の性能と思われるブロワーの特性曲線を関数近似したものです(二次関数で非常によく近似できます)。横軸が風量となっており、出口を絞るほど風量が小さくなりますが、その割に風速、圧力(風速の二乗に比例)ともにさほど変化がないことがわかります。推力を得るためにはできるだけ出口を絞らずに使うほうが良いことがわかりました。

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そこでこのブロワーをホバークラフトに取り付けたときにどうなるか計算してみました。前述したように、浮上用のエア配管は細いものしか見つからなかったので、直径が3cmしかありません。なのでこの直径を固定し、別途設けた推進用の開口径を変化させてプロットしたのが上の図になります(配管などの損失は無視しています)。推進用の口径を大きくするほど流量が増えますが、最初の図のように圧力や風速はさほど落ちないため、浮上にまわる風量もさほど変化しません。よって浮上高の変化はわずかですが、推進用のエア流量は大きく変化するため、推進力は大幅に変化します。先日の実験では推進用のノズルが浮上用の配管より細かったために、紫色で示したあたりの動作になっており、推力はわずかに 2.6N (270gf) 前後という僅かな値になっていたようです。すでに製作した偏向ノズルは推進用の開口径が10cm^2ほどあるので、ちょうどブロワ仕様あたりの条件になり700gfほどの推力(よって 1m/s^2ほどの加速力)が得られそうです。実際にはもっと開口径を増やしたほうが良いようですが・・



スロットル制御を付けないと止まれないので,まずはそのまま走らせてみようと思っていますが、興味あるテーマとして風力増大機構があります。ダイソンの「羽根のない扇風機」は高圧(高速)だが風量の乏しい気流で周りの空気を巻き込み、扇風機らしい風量と風速を得ています。同じものをリーフブロワーに付けたら風量が増えるはず・・と思いつつ、さすがにダイソンは買えないので、これまた2000円もしない怪しげな商品を買ってみました。空気の巻き込み口を塞いだり開放したりして試してみたのが上の動画です。スリットがかなり太く、あまり高速なエアは出てこない構造になっていますが、それもそのはず、開けてびっくり、丸い筐体ですが、中にはPC用の角型の冷却ファン(90mm角、12V 0.45A のブラシレスファン)が入っていました。ですがそれでもそれなりに効果があるようです。
posted by しんさく at 01:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ラジコン